論文捏造

論文捏造 (中公新書ラクレ)
村松 秀
中央公論新社
売り上げランキング: 6,939

2006年に書かれた本なので、最近話題のSTAP細胞騒動の件は無関係です。
そもそもSTAP細胞の件はまだ捏造と決まったわけではありません。

この本はヤン・ヘンドリック・シェーンによる高温超電導に関する世紀の大捏造を追った、NHKのドキュメンタリー番組の内容をまとめたものです。
栄光から捏造発覚まで、とても面白い!

論文捏造が起きてしまう、科学界が抱える問題点は見えてきますが、結局のところ、どちらかと言えば誠実な人だったシェーンがなぜ捏造したのかについては、そしてこれは本当に彼一人の問題だったのかについては、本人が口を閉ざしているのでわからずじまいです。

~ もくじ ~

はじめに
プロローグ
第1章 伝説の誕生
第2章 カリスマを信じた人々
第3章 スター科学者の光と影
第4章 なぜ告発できなかったのか-担保されない「正しさ」
第5章 そのとき、パトログは-研究リーダーの苦悶
第6章 それでもシェーンは正しい?-変質した「科学の殿堂」
第7章 発 覚
第8章 残された謎
第9章 夢の終わりに
エピローグ-「わからなさ」の時代に
放送歴・受賞歴・番組スタッフ一覧

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

物理的な事実は、観測も測定も、誰が行なっても必ず再現できるものであるはずで、行なう者によって左右されることはありません。物理学は再現性がなくてはなりません。実験する人物によって結果が変わってはならないのです。(P78)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

残念ながら科学は、かつてのように純粋に知的好奇心を満たすだけのものではなくなっています。いまは企業が関わり、特許が絡み、役に立つ製品作りを求められ、科学は金儲けの材料ともなっているのです。そうした世界では、だましや秘密主義が起こりやすいものです。(P292)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2558日)、、、
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book20140713
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