ダンゴムシに心はあるのか

ダンゴムシに心はあるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)
森山 徹
PHP研究所
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ダンゴムシの本ではなく、「心の研究」の本です。
心とはなにかということについて仮説を立て、その実証のためにダンゴムシで実験を行っています。
面白い内容でしたが、ただ、著者がいう「これが心だ」というものに、なんとなく違和感を感じます。
「これ心だ」と言われれば「そうかもね」と思いますが、「これ心だ」と言われると、いや、心ってそんな単純なものじゃないだろうと思ってしまうわけです。
また、研究対象の動物の身体的な耐力を測定しているわけではなく、とことんつきあうことで、その動物のことをよく知り、傷つけない方法で通常とは異なる状況に置くことで、普段は見せない行動を起こさせ、心が発現したと喜んでいるわけですが、身体的な傷は確かに受けていませんが、通常とは異なる状況に長時間置かれるということは、それなりのストレスを長時間与え続けられるわけで、肉体的なダメージはなくても精神的なダメージをうけていると思われます。それなのにその動物を傷つけていないといっているところも、「心の研究者」らしくないなぁと感じました。

~ もくじ ~ 

はじめに
第一章 心とはなにか―「心の定義」を提案する
第二章 ダンゴムシの実験
第三章 ダンゴムシ実験の動物行動学的意味
第四章 「心の科学」の新展開
あとがき
参考文献

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

彼の正体を知るには、今やだれかが彼の肩を直接叩き、「こんにちは」と声をかけることが必要だと。
彼に気づかれないよう、彼を記録することは、観察者の影響を受けない手つかずの彼を知る最善の手段です。しかし一方で、最も知りたい彼の正体や本質を知ることはできません。(P8)

~ もうひとつなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

私は、研究者こそ、「そんな悠長なことを言うのが義務だ」、と言っても過言ではないと思います。(P215)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(1371日)、、、
読んだ本   247冊 (1日平均0.18冊)
読んだページ 56316ページ (1日平均41ページ) + 413ページ
(ページ数および下記グラフにページ数が反映されていない本が2冊あります。221ページ+192ページ)


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