一神教と国家

一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)
内田 樹 中田 考
集英社 (2014-02-14)
売り上げランキング: 16,704

ユダヤ教に詳しい内田樹さんとイスラームの中田考さんが、一神教について対談、
ユダヤ教とイスラームってこういうところが似てるよね、でもキリスト教ってこんなんだからだいぶん違うよね、そうだよね、そうだよね、ってな感じで話が弾んでおります。
後半は主に中田考さんが唱えるカリフ制復活論の話を中心に、本来イスラームってどんな宗教なのかが語られて行きます。
イスラームについてよくわかります。
一人のカリフのもとに、国も国境もなく、イスラーム法に従う人々が自由に行き来し、お互いに助け合う社会。
あれっ?
これってISIS、別名ISIL、ダーイシュ、あるいは一部のマスコミではあいかわらず「イスラム国」などと呼ばれているテロ集団が唱えていなかったっけ?
いえいえ、彼らの行動はイスラームとはまったく反するものなのです。国も国境もないと言うのがイスラームの生き方なのに、彼らは戦争で国を広げてようとしているし、暴力や恐怖で人々を支配するのはまったくイスラーム的ではありません。そもそも「国」を名乗っている時点でおかしいということですね。。
そんなわけで、ISISのやっていること=イスラームの生活と思い違いしないようにしないといけません。
しかし、一年前の本とは言え、この本ではISISについては全く触れられていないのは、かなり残念かも。

~ もくじ ~

序 レヴィナシアン・ウチダ、ムスリム中田先生に出会う 内田 樹
第一章 イスラームとは何か?
第二章 一神教の風土
第三章 世俗主義が生んだ怪物
第四章 混迷の中東世界をどう読むか
第五章 カワユイ(^◇^)カリフ道
補遺 中東情勢を理解するための現代史 中田 考
跋 未だ想像もできないものへの憧憬 中田 考

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

その効用が予めわかっているようなもの、それを学ぶことで何が得られるかが容易に想像できてしまうようなもの、そんな出来合いの知識を教える者は職人か、商人であって、教師ではありません。(P251)

 
 
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book20150310
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