サリンジャー戦記

翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)
村上 春樹 柴田 元幸
文藝春秋
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私がサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の野崎孝さん訳「ライ麦畑でつかまえて」を読んだのは大学生の頃。
すっかりはまってしまいました。
と言っても、全編を何度も読み返したわけではありません。
でも、辛いことがあった時や悔しい思いをした時やムカムカしたときや、それに暇なとき、本棚のその本をふと手にとってパラパラとめくると、そこに「今の自分の気持ち」が書いてあり、そしてなんだかほっとした気分になる、私にとって「ライ麦畑でつかまえて」はまさに聖書のようなものでした。
そんなわけで、大学を卒業し就職して上京した際、ほとんどの本は実家においてきましたが、「ライ麦畑でつかまえて」は横浜まで持ってきた本の1冊でした。
しかし、いつからか、本棚の隅にある「ライ麦畑でつかまえて」を手にとらなくなっていました。それは、私自身が、ホールデン・コールフィールドが言うところのインチキな大人になった証拠なのかもしれません。

なお、サリンジャーの「ナインストーリーズ」や「フラニーとズーイ」も読みましたが、これらはまったくはまりませんでした。やはり「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は特別だったようです。
私はサリンジャーが好きなのではなく、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が、というよりは野崎孝さん訳「ライ麦畑でつかまえて」が好きだったのです。
 
 
さて、この本は、最近あらたにサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の翻訳を行なった村上春樹さんと、翻訳の仕事をしていて村上さんと推敲を行なった柴田元幸が、サリンジャーについて、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」について、熱く、熱く、あつ~く語りあっています。

えっ?
そんなこの本を読んで、村上春樹さん訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読んでみたいと思ったかって?
いや、私はおそらく読まないでしょう。
私にとって「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は野崎孝さん訳「ライ麦畑でつかまえて」一冊で十分な気がするから。
 
~ もくじ ~

ライ麦畑の翻訳者たち まえがきにかえて 村上春樹
対話1 ホールデンはサリンジャーなのか?
対話2 『キャッチャー』は謎に満ちている
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』訳者解説 村上春樹
Call Me Holden 柴田元幸
あとがき 柴田元幸

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

弁護士になって無実の人を助けたいけど、そういう助けている自分をカッコいいと思っちゃうからいやだと言う。要するにホールデンにしてみれば、無実の人を助けることの善よりも、自分をカッコいいと思って酔っちゃう悪の方が大きいわけですね。(P160)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

ホールデンがちょっと特殊だということは、ほとんどの読者にはわかるんです。でもホールデンは特殊であることによって、読者のいろんな事情を吸い上げていくんです。それがホールデンという人物の機能なんです。(P176)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2923日)、、、
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book20150713
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