人はなぜ逃げおくれるのか


人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学 (集英社新書) – 広瀬 弘忠 (著)


災害にあった人々への聞き取り調査やアンケートの結果より、災害時にどうすれば生き延びることができるのかを考えます。
人々がぱにっくに陥り我先に逃げようとすることで被害が拡大するというような事象は実は少ないのです。パニックはいくつかの条件が重ならないと起きないからです。
それよりも、人々がパニックに陥ることを恐れるあまり、実際よりも甘い情報を伝えて安心させようとしたことで、本来ならば逃げることができた人が逃げ遅れて多くの被害を生んだというようなケースの方が多いことがわかっています。
なお、2004年に書かれた本なので、東日本大震災は事例として出てきません。

~ もくじ ~

プロローグ・・・古い「災害観」からの脱却を目指して
第1章・・・災害と人間
第2章・・・災害被害を左右するもの
第3章・・・危険の予知と災害被害の相関
第4章・・・「パニック」という神話
第5章・・・生きのびるための条件
第6章・・・災害現場で働く善意の力
第7章・・・復活への道筋
エピローグ・・・「天」と「人為」の狭間に生きる人間として
参考文献


~ なるほどな一文 ~

防災担当者が心すべき鉄則は、まず、防災について素人である一般市民に正直であれ、ということだ。この原則が確実に実行される場合には、正常性バイアスにおちいる心配はない。(P115)


~ もう一つなるほどな一文 ~

ともあれ、パニックというセンセーショナルな言葉を濫用するのは間違いである。そして、パニックという言葉を用いて被害を説明しようとするときには、災害や事故の原因の究明を放棄して、防災上の失敗をごまかそうとする不純な動機があるのではないかと、まず疑ってみることが必要である。(P148)



これで、、、2007年07月13日以降(4605日)、、、
読んだ本   1016冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 246516ページ(1日平均53ページ)

atasinti – 読書メーター


生きのびた人の話しか聞けていないので、亡くなった方がなぜ逃げ遅れたのかは実は想像でしかないという点は置いておいて、、、
災害にあったときにいかに冷静に事態を見極めることができるかが生死を分けるということは、わかっちゃいるけど、いざというときにそれを思い出せるかどうか・・・
しーゆー。

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