さよなら!僕らのソニー

さよなら!僕らのソニー (文春新書)
立石 泰則
文藝春秋
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私は特にソニー信者というわけではありません。
そんな私でも、音楽はウォークマン、パソコンはVAIO、ポケットにはPDAのCLIE、という時期がありました。
ただ、私が当時ソニー製品を選んだのは、技術的に優れていたからでも、信頼性が高かったからでもありません。技術的には当時は他社と変わらなかったし、信頼性に関しては、ソニー製品は保証期間をちょっとすぎた頃には壊れる、という「ソニータイマー」の存在が語られるような状況でした。それでもソニー製品を選んだのは、カッコよかったからです。
そして時がたち、音楽はiPodに、パソコンは富士通に、PDAはスマートフォンにと変わりました。
あれっ?そう言えば、今の我が家にソニー製品ってあったっけ???

そうはいっても、外で音楽を聴くというライフスタイルを作りだしたのはソニーです。
それをさらに進化させ、音楽はCDを購入して入手するのではなくダウンロードで入手するライフスタイルを作りだしたのがAppleです。

でも、ソニーからはそんな斬新な、ライフスタイルを変えるような、あるいはときめきを覚えるような、そんな「電気製品」はもう出てくることはないんだろうな、、、
創業時からストリンガーまで、その時々の経営陣へのインタビュー内容、その時々の会社の状況をもとにソニーという会社の変遷を振り返って、そんなため息をついている本です。

そんなこの本を読んでいる真最中に、ソニーのCEOがストリンガーさんから平井さんに変わるというニュースが飛び込んできました。
なんというタイミング!!!
この本によると、平井さんはストリンガーさんのお気に入りの一人だったようなので、ソニーの方向性は変わらないんでしょうね。

~ もくじ ~ 

第一章 僕らのソニー
第二章 ソニー神話の崩壊
第三章 「ソニーらしい」商品
第四章 「技術のソニー」とテレビ凋落
第五章 ホワッツ・ソニー
第六章 黒船襲来
第七章 ストリンガー独裁
最終章 さよなら!僕らのソニー

~ なるほどな一文 (リンクはInBookの該当セリフのページ)

マーケット・クリエーション(市場を作ること)というのは、マーケット・エデュケーション(市場を教育すること)のことなんだ(P46)

~ もう一つなるほどな一文 (リンクはInBookの該当セリフのページ)

いまのソニーは、私たちに「夢」を与えてくれた、ソニースピリットあふれる私たちの知るソニーではないからだ。(P292)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(1667日)、、、
読んだ本   317冊 (1日平均0.19冊)
読んだページ 71958ページ (1日平均43ページ)

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