サラリーマン居酒屋放浪記

サラリーマン居酒屋放浪記 (朝日新書)
藤枝暁生
朝日新聞出版 (2016-02-12)
売り上げランキング: 29,203

これはグルメ評論家などが書いた洒落たお店の紹介ではない。
サラリーマンである著者が仕事帰りに立ち寄る立ち飲み屋の話です。
しかも単なるお店紹介本ではない。
作者がお気に入りのその店をはじめて訪れたとき、あるいは久しぶりに訪れた時のことを物語風に語っているのです。
この本はまさに・・・
飲兵衛の 飲兵衛による 飲兵衛のための本
なのです!
やばいぜ、こんな本を読んだら、さっさと仕事を切り上げて、お気に入りのあの店に向かいたくなっちまうじゃないか!
 
~ もくじ ~

はじめに
1章 酒場の醍醐味
2章 酒場と人情
3章 酒場のたしなみ
4章 酒場の肴と心意気
5章 酒場のふれあい
6章 酒場と街並み
7章 酒場の個性
おわりに

~ なるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

長いことサラリーマン生活をしていると、5時前に酒にありつけることは至極稀であって、それが故に、まだ明るい時間帯から本格的に飲む、ということには憧れにも似た思い入れがある。僕だけではない、きっと、皆そうだ。(P19)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

居酒屋の料理は奇をてらったようなもにじゃなくて、定番ものがいいんです。普通がいい。(P210)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3149日)、、、
読んだ本   699冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 166346ページ(1日平均52ページ)

book20160224
atasintiさんの読書メーター
 

エロスと「わいせつ」のあいだ

エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史 (朝日新書)
園田 寿 臺 宏士
朝日新聞出版 (2016-02-12)
売り上げランキング: 17,023

明治時代から最近まで、猥褻をめぐる裁判の内容から、どこからが猥褻でどこまではセーフなのか、その変遷を探ります。
しかし、その結果は、ちゃんとした線引きがあったとはとても思えず、その時の検察官や裁判官が自分の感覚や都合で決めていたり、政治がからんでいたりしているとしか思えません。それと聞かなければそれとわからないような、ろくでなし子さんの作品が、猥褻とされ有罪となったことなど、まさにおかしな話です。
インターネットで海外の猥褻画像や映像を簡単に見ることができる今、だからと言ってすべてオープンにするのがいいとは思えませんが、猥褻に対する刑法のあり方については考え直さないといけない時期が来ていると思われます。
 
~ もくじ ~

まえがき
第1章 性表現で、いま何が起きているのか
第2章 文書もかっては「猥褻」だった
第3章 新しい時代の「猥褻」
あとがき
資料
主要参考文献・論文

~ なるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

このような論理をあえて単純化して言えば、判決は<裁判官が猥褻と思うものが猥褻だ>ということを述べているにひとしい。よく、「猥褻は裁判官の頭の中にある」と揶揄されるのは、まさにこの点なのである。(P211)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

その際、重要なことは、刑罰は効果絶大な抗生物質のようなもので、副作用も強烈であるから、その使用については慎重でなければならないということである。(P236)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3145日)、、、
読んだ本   698冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 166122ページ(1日平均52ページ)

book20160220
atasintiさんの読書メーター
 

弱虫でいいんだよ

弱虫でいいんだよ (ちくまプリマー新書)
辻 信一
筑摩書房
売り上げランキング: 176,445

人間も自然の一部であったはずなのに、いつのまにか自然と対比し自然の上に立つ存在、自然を制御する存在と勘違いするようになっている。
本来は弱さゆえに協力し合って生きていくように進化してきた人間なのに、いつのまにか、競争しあう存在となっており、サル化、サルに逆戻りしてきている。
このあたりまでは、よ~くわかります。
しかしだからといって、作者が言うように、いまさら文明を全て捨てて生きることはできない。
えっ?そうは言っていない?
いや、私にはそう言っているように読める、、、

競争社会の愚かさ、強さを誇ることの無意味さだけはよーくわかります。
 
~ もくじ ~

はじめに
第1章 「弱さ」とは何か?
第2章 動物たちに学ぶ
第3章 野生との和解に向けて
第4章 「弱さ」が輝き始めるとき
第5章 弱虫でいいんだよ
おわりに
参考文献

~ なるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

ここには、「愛とは何か」という難問中の難問に対するひとつの答えがある。つまり、愛とは「相手のために時間をムダにすること。」(P48)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3138日)、、、
読んだ本   697冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 165850ページ(1日平均52ページ)

book20160213
atasintiさんの読書メーター
 

県庁そろそろクビですか?

県庁そろそろクビですか?: 「はみ出し公務員」の挑戦 (小学館新書)
円城寺 雄介
小学館
売り上げランキング: 654

江口達也さんのイラストの表紙。
表紙買いした本です(^^;

こんなお役人もおるんやねぇ。
全てのお役人がこの人のような「気持ち」で仕事をしたら、日本はすばらしい国になることでしょう。
いや、、、そんな他人任せじゃダメですね。
私のような民間企業に勤める者や個人で営む者もみんなが、この人のような「気持ち」で仕事をしたら、日本はすばらしい国になることでしょう。
でも、現実はパレートの法則(20:80の法則)に従っちゃうのよねぇ、、、
もちろん、私は80%の方です(^^;

もっともこの本は読み方によっては、、、
「佐賀は明治維新の頃から今も、改革に積極的なすばらしい県ばい。佐賀県庁は改革を受け入れてくれるすばらしい役場ばい。そんな佐賀県庁で、人に言われたわけでもなく、自ら進んで改革を推し進めた私って偉かろ!」
と言っているようにも読めちゃうところはちょっと残念かも。
 
~ もくじ ~

序 章 はみだす覚悟が世の中を変える
第1章 県庁職員の知られざる日常
第2章 はみだし公務員への道
第3章 命を救う緊急医療変革
第4章 地方から全国への変革
第5章 次なる挑戦
第6章 はみだし公務員が伝えたいこと

~ なるほどな一文 ~ (リンkうはinbookの該当セリフのページ)

信念を持って物事に取り組むために一歩前に出ることは、嫌われる勇気を持つということでもあるのだ。(P99)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンkうはinbookの該当セリフのページ)

イノベーションは自ら起こしたイノベーションによって陳腐化する。変革は自らが起こした変化の波によって取り巻く状況が変わる。そして取り巻く状況はすぐに変革に追いつきそして追い抜いていく。革新的な商品やサービスは打ち出した瞬間に陳腐化するのだ。だから常に改良や改善を続けなければならないし、その変革を捨てる勇気を持たなければならない。(P208)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3135日)、、、
読んだ本   696冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 165627ページ(1日平均52ページ)

book20160210
atasintiさんの読書メーター
 

あざむかれる知性

あざむかれる知性: 本や論文はどこまで正しいか (ちくま新書)
村上 宣寛
筑摩書房
売り上げランキング: 22,859

巷にあふれるダイエット本、アンチエイジング本、ビジネス書などなどに書かれていることを、メタ分析などを使った分析によるシステマティックレビューで一刀両断!
あれもうそ~♪
これもうそ~♪
 
なぜ、こうしたウソがまかり通るのか?
それは難しい真実よりも、都合のよいデータだけを並べて嘘だろうと何だろうと断言した本の方がわかりやすいから
そして人はついついわかりやすいものを信じてしまうから
さらにそうした本の方が売れるから
と言うことでしょうか。

もっともこの本の一部もまた、作者の主観によるものが書かれているようですが・・・
 
~ もくじ ~

まえがき
第Ⅰ部 真実を知るには
 第1章 科学の営み
 第2章 研究の価値は何できまるか
 第3章 何が判断を歪めるか
第Ⅱ部 どこまで本当なのか
 第4章 なぜダイエットは難しいか
 第5章 健康で長生きするには
 第6章 仕事での間違った思い込み
 第7章 幸福になるには
付録 メタ分析とは

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3131日)、、、
読んだ本   695冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 165372ページ(1日平均52ページ)

book20160206
atasintiさんの読書メーター

アンドロイドは人間になれるか

アンドロイドは人間になれるか (文春新書)
石黒 浩
文藝春秋
売り上げランキング: 21,432

国内のロボット開発の最前線にいる作者による、これまで開発したロボットの紹介と、ロボットやアンドロイドが人の隣にふつうに存在する未来社会を考えます。
ロボット社会は「アイロボット」などの映画のように単にロボットが街の中に多く存在するだけではありません。
かって奴隷や召使が行なっていた多くの作業を現在は家電製品や乗り物などなど、機械が行なっています。
そして現在、人が行なっている多くの作業は、いずれロボットが行なうことになるでしょう。
そのとき、人は何を行なっているのでしょうか。
作者が言うように全員哲学者になっているのでしょうか?
非常に興味深いです。
しかしそれはそう遠い未来の話ではないということが、作者が開発したロボットを見ているとわかります。

現在の技術で、アンドロイドとして毛沢東や金日成を、その考え方だけでなく好みやくせなどをすべてプログラミングして蘇らせることさえも可能なのです。
いったいどんな世の中が待っているのでしょうか・・・

ほんの数十年前、未来を描いたサンダーバードでは、すごいメカが数多く出現しましたが、コンピューターと言えば、四角い冷蔵庫大の白い箱の中でドラムがくるくる回っていました。現在のスマホのように、手のひらにコンピューターが乗っている世界をあの頃は想像できていませんでした。
したがって、今から数十年後には、今は想像もできない社会になっていることは十分に考えられます。

それが作者が言うようなロボット社会なのかどうかはわかりませんが、、、
 
~ もくじ ~

プロローグ
第1章 不気味なのに愛されるロボット-テレノイド
第2章 アンドロイド演劇
第3章 対話できるロボット―コミュ―とソータ
第4章 美人すぎるロボット-ジェミノイド
第5章 名人芸を永久保存する-米朝アンドロイド
第6章 人間より優秀な接客アンドロイド-ミナミ
第7章 マツコロイドが教えてくれたこと
第8章 人はアンドロイドと生活できるか
第9章 アンドロイド的人生論
エピローグ

~ なるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

人間は、自分にとって足りない情報は、プラスの方向に補完する傾向にある。マイナスに補完することは少ない。(P36)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

だから、「これからどういう未来が来るのか」と問われれば、僕は「自分はどういう未来を作りたいか」を語ることにしている。未来は勝手にやってこない。(P139)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3128日)、、、
読んだ本   694冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 165134ページ(1日平均52ページ)

book20160203
atasintiさんの読書メーター
 

これでいいのか神奈川県横浜市

地域批評シリーズ4 これでいいのか神奈川県横浜市
小森雅人 川野輪真彦 藤江孝次
マイクロマガジン社 (2015-12-16)
売り上げランキング: 87,066

横浜市を、出かけるときは東京へ出かける田園都市線沿線や新横浜~あざみの間の市営地下鉄沿線住民の「東京型住民」と出かけるときは横浜の中心部へ出かける相鉄線や京急沿線の「横浜型住民」に大きく分けて、それぞれの沿線住民の生態を分析、ということですが、、、
田園都市線沿線と東横線沿線に住んだ経験のある者として言わせてもらえば、、、
浅いよ。
表面しかみておらず、考察がまったくもってできておらず、浅いよ。
主観だらけで、ぱっと街並みを眺めた感想を述べているに過ぎない。
 
ちなみに、私が今住んでいる東横線は横浜型に属するそうだけど、私自身は独身の頃は作者が言うところの東京型に近い生活をしていたし、結婚後は横浜型に近い生活をしているし、そんなまぜまぜの面白い路線だけど、田園都市線沿線と比べて古くさいということしか書いていない。見たまんま。

おそらく、横浜市内のどこに住んでいる人も、この本を読むと気分が悪くなっちゃうんじゃなかろうか、、、
 
~ もくじ ~

まえがき
第1章 横浜市っていったいどんなところ?
第2章 東京型住民① 田園都市線青葉区
第3章 東京型住民② 港北ニュータウン
第4章 新旧ニュータウンが生む地域格差は解消可能か?
第5章 横浜型住民① 相鉄線&京急線沿線
第6章 横浜型住民② 本牧&山手
第7章 ハマトラからマフィアまでみんな仲良し横浜中心地
第8章 横プラを拒否する土着エリアは川コンが蔓延
第9章 横浜はナチュラルでいてほしい
あとがき
参考文献

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3122日)、、、
読んだ本   693冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 164911ページ(1日平均52ページ)

book20160128
atasintiさんの読書メーター
 

性風俗のいびつな現場

性風俗のいびつな現場 (ちくま新書)
坂爪 真吾
筑摩書房
売り上げランキング: 682

よくある性風俗で働く女性のルポで終わっていません。
経営者にも話を伺い、性風俗が抱えている問題を浮き彫りにしています。
道徳や倫理感を振りかざして社会悪だと否定しても何も解決しないのです。
女性から搾取しているという側面もありますが、一方で貧困女性のセーフティネットとして機能しているという側面も持っている、いろいろ考えさせられます。 

ところで、作者はこの手の本では必ず使われるある言葉を使っていません。
なるほど、そう言えば、あの言葉が一度もでてきませんでした。
作者が最後にクイズとして出題しているので、ここに答えを書くのはやめておきますが、ただ、その言葉を使わなかったことに、どんな意味があるのかは、まったくわかりませんでした(^^;

~ もくじ ~

はじめに
第一章 地方都市における、ある障害者のデリヘル起業体験記
第二章 妊婦・母乳専門店は「魔法の職場」
第三章 「風俗の墓場」激安店が成り立つカラクリ
第四章 「地雷専門店」という仮面
第五章 熟女の・熟女による・熟女のためのお店とは?
第六章 ドキュメント 待機部屋での生活相談
終 章 つながる風俗
あとがき

~ なるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

文化としての風俗が死んだ世界では、男性が金額に囚われない「粋」な遊び方を学ぶ場はもはや存在しない。この不毛な世界で風俗を利用する男性は、目先の価格と記号に踊らされながら、ありもしない「素人」という幻影を追い続けるしかないのかもしれない。(P107)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

私は、風俗の世界に今一番必要なのは、道徳感情に基づいた是非論や否定論、あるいはフェミニズムや社会学の理論に基づく分析や批判でもなく、ソーシャルワークとの連携ではないだろうか、という思いを新たにした。(P201)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3119日)、、、
読んだ本   692冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 164592ページ(1日平均52ページ)

book20160125
atasintiさんの読書メーター

性のタブーのない日本

性のタブーのない日本 (集英社新書)
橋本 治
集英社 (2015-11-17)
売り上げランキング: 1,992

江戸時代以前の日本における性のあり方について書かれた本。
タブーはなかったがモラルがあった。
キリスト教を柱にした西欧とは全く異なる文化を持っていたことがわかります。
西欧の方々には決して理解されないであろう文化が。
しかし明治政府の西欧化政策によって、その文化も性に対する考え方もすべて失われてしまったということですね。
それはよかったのか、悪かったのか、、、
 
~ もくじ ~

タブーはないが、モラルはある
第一章 それは「生理的なこと」だからしょうがない
第二章 「FUCK」という語のない文化
第三章 男の時代
参考文献

~ なるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

結論めいたことを言ってしまえば、日本人には「悠長なシステム」を構築して、洗練された「時間の無駄使い」をする才能があるのです。(P202)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

ただ「やれればいい」というものではなくて、「女の子と付き合いたかったら、ジョシの気持ちが分からなくちゃ」と言われ、「ジョシの気持ちってなに?」と聞くと、やたらめんどくさくてどうでもいい「欲望」のようなものが並べ立てられて、「だったらいいや」になっちまうというのは、今でもというか、今になってまた改めて、当たり前になって来ています。(P210)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3110日)、、、
読んだ本   691冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 164336ページ(1日平均52ページ)

book20160116
atasintiさんの読書メーター

洗脳 地獄の12年からの生還

洗脳 地獄の12年からの生還
Toshl
講談社
売り上げランキング: 1,323

X-JAPANのToshlさんが自身が経験した、いかにして洗脳されていったのか、12年間に及ぶ洗脳されていた時期のこと、そしていかにしてその洗脳から逃れたのかを事細かに告白。

家族や友人との関係に悩む心にたくみに忍び込んでくる魔の手。
そしてその後の壮絶な日々。
((((;゚Д゚))
 
~ もくじ ~

プロローグ
第1章 1993~1997 地獄への切符
第2章 1997~1998 洗脳男
第3章 1998~2006 騙し続ける妻の残虐性
第4章 2006~2009 逃亡、暴力、そして拉致監禁
第5章 2009~現在 奇跡の出会い
あとがきにかえて 紀藤正樹弁護士

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3105日)、、、
読んだ本   690冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 164088ページ(1日平均52ページ)

book20160111
atasintiさんの読書メーター