生殖医療はヒトを幸せにするのか

生殖医療はヒトを幸せにするのか 生命倫理から考える (光文社新書)
小林 亜津子
光文社 (2014-03-18)
売り上げランキング: 28,363

生殖医療の発展がもたらす影響について、倫理学的に考える本。
技術的な説明はほとんどありませんが、どのようなことができるようになったか、あるいはこれからなるのか、さらにその利用範囲が拡大していったときにどのようなことが起こりえるのか、について、例をもとに説明しており、とてもわかりやすい。
ただし、問題提議に終わっており、結論は出ていません。
社会的な問題もいろいろありますが、それ以前に、様々な生殖医療は「子どもが欲しい」という親の気持ちを実現するために発展してきていますが、生殖医療によって生まれた子どもの気持ちは置いてきぼりにされている実情が見えてきます。

こうした技術を使うことなく、普通に男児と女児を得た私たち夫婦はとても「運」にめぐまれていたんだなぁ、としみじみと感じました。

~ もくじ ~

序 章 倫理の追いつかない生殖技術
第一章 生物学的時計を止める
     卵子凍結で、ライフプランを意のままに?
第二章 王子様は、もう待たない?
     精子バンクと選択的シングルマザー
第三章 自分の「半分」を知りたい!
     生殖ビジネスで生まれた子どもたち
第四章 遺伝子を選べる時代は幸せか?
     遺伝子解説技術と着床前診断
第五章 生みの親か、遺伝子上の親か
     体外受精と代理母出産
第六章 「ママたち」と精子ドナー
     多様な夫婦と新しい「家族」
あとがき
主要参考文献・資料

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

技術の進歩は、人類を自由にするのでしょうか。それとも特定の価値観を人びとに押し付け、「抑圧」することになるのでしょうか。(P209)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2505日)、、、
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book20140521
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病む女はなぜ村上春樹を読むか

病む女はなぜ村上春樹を読むか (ベスト新書)
小谷野 敦
ベストセラーズ
売り上げランキング: 5,856

村上春樹さんの批判本です。
それはもう村上春樹さんのことをめったくそにこき落としています。
それもどの小説のどこどこの場面のこの方言はああだこうだと、まるで重箱の隅をつつくようにネチネチネチネチと・・・
さらに村上春樹さんのファンについてもネチネチネチネチと・・・
そしてそれに飽き足らず、いろんな作家のいろんな本のいろんな場面が次々と現れてはネチネチネチネチと・・・
なんだかんだといいながら、自分が嫌いなことをただただ列挙しているだけ?
その上同じ話が何度も出てくるし、とにかく読むのに疲れる本でした。
この本の中で他の作家や作品の批判として書かれていることを、そのままこの本に返したいことがいくつもあります。

結局、この本で作者が言いたいことは、村上春樹さんの小説にはいつも自分からフェラチオを迫るような女性が出てくるが、自分はそのような女性にこれまで出会ったことがないので妬ましい、ってことかな。

なお、私自身は村上春樹さんの本を読んでいないので何ともわかりません(^^;
いえ、、、「ノルウェイの森」をずっと以前に読んだはずですが、どんな話だったのか全く覚えていない、、、

~ もくじ ~

まえがき
第一章 村上春樹はノーベル文学賞をとれるのか
第二章 ニンフォマニアの文学世界
第三章 精神を病むというファッション
第四章 村上春樹から俗物問題を考える
【附録】村上春樹は私小説を書くべきである

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

しかし、売れているからえらい、というのはとても文学の判断とは思えないので、あまり真に受けるわけにはいかない。(P89)

 
 
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book20140518
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からくり民主主義

からくり民主主義 (新潮文庫)
高橋 秀実
新潮社
売り上げランキング: 40,668

元テレビ局のADをやっていた著者が、テレビでは放送しなかった現場の真実をレポート。
なかなか興味深い。
たとえば沖縄の基地問題は、テレビ等のマスコミは、賛成派と反対派が対立というような単純な構図で報道するけれど、事実はそんな単純なものではないということがよくわかります。
普天間の町のど真ん中に基地が作られたわけではない、何もないところに基地が作られ、そのまわりに人々が移ってきて町ができたという歴史も、放送はされたことないんじゃなかろうか。
そもそも、国民の声とは誰の声なのか、世論調査の世論ってだれの論なのか、世間って何なのか、、、

~ もくじ ~

序 章 国民の声-クレームの愉しみ
第1章 親切部隊-小さな親切運動
第2章 自分で考える人びと-統一教会とマインドコントロール
第3章 忘れがたきふるさと-世界遺産観光
第4章 みんなのエコロジー-諫早湾干拓問題
第5章 ガリバーの王国-上九一色村オウム反対運動
第6章 反対の賛成なのだ-沖縄米軍基地問題
第7章 危険な日常-若狭湾原発銀座
第8章 アホの効用-横山ノック知事セクハラ事件
第9章 ぶら下がり天国-富士山青木ヶ原樹海探訪
第10章 平等なゲーム-車椅子バスケットボール
終 章 からくり民主主義-あとがきに代えて
解説 村上春樹
参考・引用文献

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

「私をバカにしている」なら「キチガイ」扱いになるが、「見ている人」つまり世間をバカにしているのなら公認クレーム。世間とはどこかにあるものではなく、個人の感情を正義に転換する際、「世間」なるものが現れ、知らないうちにその代表となるのだ。(P13)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

要するに、日本人はバカが多いんです。バカな番組を見るバカ。自分は良識はだとクレームするバカ。僕らはバカに合わせてバカな番組をつくるんです。(P22)

 
 
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book20140515
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ブラ男の気持ちがわかるかい?

ブラ男の気持ちがわかるかい? (文春文庫)
北尾 トロ
文藝春秋 (2014-04-10)
売り上げランキング: 104,176

以前、裁判の傍聴記を読ませていただいた北尾トロさんが、様々なことを自分で体験しています。
最近の報道は、やってもいないのにわかったような価値観の押しつけが多い。
自分でやってみないことにはホントのことはわからない!
もちろんそれをやる時間があるし、それが仕事に繋がるからということでしょうけれど、
この方の行動力には脱帽です。

ちなみに「青春18切符」に年齢制限がないということははじめて知りました。

~ もくじ ~

たしかめたい
愛を探しに
単独行動に打って出る
ガラスの50代
そして人生は続くのだ
あとがき ドローの味は苦かった

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

上の世代のように「日本を支えてきたのはオレたちだ」なんて誰も思っていないだろう。かといって下の世代のように「会社は会社、自分は自分」と割り切ることもできない。この中途半端さが、ぼくらの世代の特徴かもしれない。(P118)

 
 
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book20140511
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My関連エントリー
裁判長!ここは懲役4年でどうすか at 2007.08.13 (旧ブログ)

眠れないほど面白い『古事記』

日本の神々も天皇もやりたい放題だったんですね。
そこに美人がいればまぐあい、兄弟であろうとだまし討ち。
不都合なことは書いてないはずの古事記に書いてあるってことは、当時の日本においては正々堂々と戦うのではなく、だまし討ちを行なうのが賢くって素晴らしいことっていう文化だったってことでしょうか。。。
そこには慎み深さなど微塵もありません。
えっ、今でも?

~ もくじ ~

はじめに
【上巻】
1 イザナキとイザナミの誕生-国生みと神生み
2 黄泉の国への旅立ち-妻の変貌と夫の決意
3 アマテラスとスサノオ-姉と弟の確執
4 天の岩戸の騒動-神々のお祭り騒ぎ
5 ヤマタノオロチ退治-スサノオとクシナダヒメ
6 国つ神・オオナムチの誕生-受難と初恋と試練
7 オオクニヌシを名乗るオオナムチ-国づくりと子ダネ蒔き
8 高天原の神々の欲求-出雲国の統治作戦と身内の不祥事
9 オオクニヌシの国譲り-出雲大社の起源と由来
10 ニニギの降臨-コノハナノサクヤビメの放火と出産
11 海幸彦と山幸彦-兄弟争いと神武天皇の誕生

【中巻】
1 初代神武天皇(カムヤマトイワレビコ)の東征
2 十代崇神天皇と十一代垂仁天皇の世の中
3 十二代景行天皇の世の中
4 悲劇の人・ヤマトタケルの一生
5 十三代政務天皇と十四代仲哀天皇の世の中
6 十五代応神点脳の世の中

【下巻】
1 十六代仁徳天皇の世の中
2 十七代履中天皇から十九代允恭天皇までの世の中
3 二十代安康天皇の世の中
4 二十一代雄略天皇の世の中
5 二十二代清寧天皇から二十四代仁賢天皇の世の中

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

その恋はとても情熱的です。異性に心を奪われると、思ったことを隠さずに、そのまま言ったりします。偽ったり飾ったりしません。(P6)

 
 
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book20140504
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大人も眠れないほど恐ろしい初版『グリム童話』

((((;゚Д゚))

以前読んだ「大人もぞっとする初版『グリム童話』」の第二集ですが、第一集に掲載の話に比べて、かなりエグイ話が多い。
エロイではなくエグイです、、、

~ もくじ ~

まえがき
Ⅰ いばら姫
Ⅱ 悪魔の3本の金の髪の毛
Ⅲ 白雪姫
Ⅳ 強盗のおむこさん
Ⅴ 神様の召し上がりもの
Ⅵ 十二人兄弟
Ⅶ 踊ってすり切れたダンス靴
Ⅷ 歌う骨
Ⅸ 三人軍医
Ⅹ ホレおばさん
参考文献

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

パートナーとの関係がうまくゆかなくなって、疑いや痛み、恐れや虚無感にどれほど苛まれていたとしても、それを解決する鍵は、相手と距離をおくことではなく積極的に近づき、愛を持って接したときに初めて見つかる。たとえ最初は気乗りがしなくても、どちらかが半歩譲って愛のある行為を意図的にしてみる。
すると、冷えて固まっていた関係が溶け出すことがあるのだ、という真理がそこから匂い立ってきます。(P66)

 
 
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book20140501
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働かないオジサンの給料はなぜ高いのか

どうもすいません m(_ _)m

なお、この本は働かないオジサンを糾弾する本ではありません。
日本の会社ではなぜ働かないオジサンが生まれるのか、そしてそんな日本の会社では、どう働けばいいのかを指南する本です。

~ もくじ ~

プロローグ サラリーマン人生を一気に駆け抜けることはできない
第1章 オジサンは「同士」を求めている
第2章 「同期」が成果主義を阻む
第3章 若い頃には、常に上司の期待を上回れ
第4章 偉くなる人とうまくやれる人が偉くなる
第5章 「働かないオジサン」はどうすればいいのか
第6章 「終身雇用の正社員」だけが正解じゃない
第7章 自分が働く会社の出世メカニズムを知れ

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

会社での仕事の質が落ちれば、自分のやりたいことの質も劣化する。自分が本気で取り組むことは全人格的なものであって、決して分離はできないからだ。(P214)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

彼らは、新しい道を発見するに際して、自分の能力や人脈、経済的リスクのことを考えがちである。もちろんそれらも重要ではあるが、多くの転身者を取材していて感じるのは、本人の持っている「向き不向き」が決定的だということだ。「リスクよりも向き不向き」「好きなことより向き不向き」だというのが実感である。(P218)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2478日)、、、
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book20140424
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女のからだ――フェミニズム以後

女のからだ――フェミニズム以後 (岩波新書)
荻野 美穂
岩波書店
売り上げランキング: 20,092

女性解放運動の流れ。現在の生殖技術を巡る議論へと繋がっていく。
なるほど、これは難しい。
男にはそれ以上のことは言えない・・・

~ もくじ ~

はじめに-フェニミズムと女のからだ
第1章 女の健康運動-1970年代のアメリカ
第2章 地球を旅する本-『私たちのからだ・私たち自身』の軌跡
第3章 日本のウーマン・リブと女のからだ
第4章 1980年代の攻防と、その後
第5章 生殖技術という難問
おわりに-女のからだは誰のもの
主要参考文献
図版出典一覧

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

病者がふえていくばかりの社会とは何なのか?実は病んでいるのは社会ではないのか。(P131)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

新しいテクノロジーはひとたび生まれてしまうと、それがまったく知られていなかった時代に戻ることはできない。しかしそれを利用することで得られるメリットとデメリットやリスクについて検討することで、それを使い続けるのかどうかを考え、選択することはできる。これは私たちがつい最近、原子力発電をめぐる苦い経験を通して学んだことでもある。(P244)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2475日)、、、
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読んだページ 121707ページ(1日平均49ページ)

book20140421
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英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄

英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄(祥伝社新書)
ヘンリー・S・ストークス
祥伝社
売り上げランキング: 85

目から鱗。イギリス人に本当の日本の歴史を教わるとは。。。
東京裁判はアメリカのエゴ、慰安婦問題は韓国のエゴが生んだでっちあげ、南京大虐殺は中国のエゴが生んだでっちあげ。日本は、お人よしにも、どうもすいませんでした、などと言っている場合じゃない!
黙っていたら、それが史実になってしまう。

~ もくじ ~

第一章 故郷イギリスで見たアメリカ軍の戦車
第二章 日本だけが戦争犯罪国家なのか?
第三章 三島由紀夫が死を賭して問うたもの
第四章 橋下市長の記者会見と慰安婦問題
第五章 蒋介石、毛沢東も否定した「南京大虐殺」
第六章 『英霊の聲』とは何だったのか
第七章 日本はアジアの希望の光
第八章 私が会ったアジアのリーダーたち
第九章 私の心に残る人々
終 章 日本人は日本を見直そう
解説 加瀬英明

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

日本ではいわゆる「東京裁判史観」が、まかり通っている。日本は「侵略戦争」や「南京大虐殺」を犯した「犯罪国家」であるとレッテルを貼られてしまった。出鱈目な東京裁判や、中国のプロパガンダや、アメリカのウォー・ギルト・インフォメーション戦略(戦争についての罪悪感を植え付ける戦略)によって刷り込まれた「南京大虐殺」という虚構を打破して、戦前の日本はアジアを侵略したのではなく、欧米による植民地支配から、「アジアを解放した」という事実を、世界に訴えるべきだ。(P167)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

日韓、日中関係を歪めてきたのは、日本が卑屈になって、両国に不必要に腰をかがめてきたことが原因だ。日本はこれほど古い歴史と、独自の精神を持っていたはずなのに、アメリカによってすっかり骨抜きにされてしまった。(P232)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2472日)、、、
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読んだページ 121467ページ(1日平均49ページ)
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日本の居酒屋文化

日本の居酒屋文化 赤提灯の魅力を探る (光文社新書)
マイク・モラスキー
光文社 (2014-03-18)
売り上げランキング: 4,194

アメリカ人による日本の居酒屋文化論?
いえ、違います。
20年の日本滞在で、日本人以上に日本人の著者が居酒屋の素晴らしさ、楽しさを語ってくれます。
居酒屋の細かな分類に著者のこだわりを感じます。
うー、もうたまらん、ちょっと赤提灯へ・・・

~ もくじ ~

「お通し」-はじめに
第一章 「居酒屋学」の基礎概念
第二章 和風酒場の種類と特徴-赤提灯あれこれ
第三章 和風酒場の種類と特徴-屋台から割烹まで
第四章 <地>の味わい-街から店を捉える
第五章 <場>の味わい-天簿の内外を読み取る
第六章 「人間味」-居酒屋の人々
第七章 自分で穴場を嗅ぎつけよ(実用編)
「また、呑もうね」-おわりに
本文に登場したお店一覧

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

「居酒屋は味と価格だけではない、五感をもって満喫する場所である」というのが私の自論である。さらに、「居酒屋は<味>よりも<人>である」と確信している。(P9)

 
 
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読んだページ 121215ページ(1日平均49ページ)

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