働かないアリに意義がある

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)
長谷川 英祐
メディアファクトリー
売り上げランキング: 197

女王を中心に社会生活を営んでいるアリやハチですが、実は人間のような指揮系統はない。
女王も働きアリも上も下もなく、それぞれの役割を担っているだけ。
では、なぜあのような統制がとれているのか。
人間の社会とはまったく異なる、実に巧妙で面白い社会のしくみがそこにあったのでした。
そしてそんなアリのコロニーの存在には、働かない「働きアリ」の存在がとっても重要だったりする。
いや、それにしても、ホントに緊急な場合以外は働かないアリがいる一方で、生まれてから常に働きつづけて短命で死んでいくアリがいるというところは、なんともせつない。
また裏切り者の存在とかも実に面白い。
まだわからないことはわからないと記載されているところがなんともいさぎよい。それにしてもわからないことがいかに多いことか。まだまだ進化生物学にとっての楽しみがつきないということか。

~ もくじ ~ 

序 章 人の社会、無視の社会
第1章 7割のアリは休んでいる
第2章 働かないアリはなぜ存在するのか?
第3章 なんで他人のために働くの?
第4章 自分がよければ
第5章 「群れ」か「個」か、それが問題だ
終 章 その進化はなんのため?
おわりに 変わる世界、終わらない世界

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

結局、組織の効率追求と組織自体が存続できる可能性の綱引き、という点では人の社会もムシの社会も同じことです。というより、「群れ」の甘い蜜を一度吸ってしまうと、まことに面倒くさい、「群れか個か」という問題から逃れるすべはないのです。(P169)

~ もうひとつなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

君は自分の頭で納得したことより、教科書に書いてあるかどうかを正しいかどうかの基準にするのか?科学者は、正しいと思ったことは世界中のすべての人が”それは違う”と言ったとしても”こういう理由であなたの方が間違っている”と言わなければならない存在なのに?(P183)

 
これで、、、2007年07月13日以降(1428日)、、、
読んだ本   260冊 (1日平均0.18冊)
読んだページ 59218ページ(1日平均41ページ)

読書メーター – atasinti
 

働かないアリに意義がある” への2件のコメント

  1. 面白そうな本ですね。中学二年の時の夏休み。理科の宿題は、自由研究。

    毎日の部活でバテバテだった。休みも残り少なくなってきたある日、思いついたのが、アリの道をたどることだった。白い模造紙を広げ、砂糖を真ん中に置く。アリがやってきて紙の上を歩き始めるとその後を色鉛筆でたどっていく。一匹一匹色鉛筆の色を変えたどっていったその結果を、レポートにしてまとめた。・・身近にいるがゆえに、案外知らないってことってたくさんあります。

    定点観察をしていると、興味深いことですね。

    1. sweepさん、コメントありがとうございます。

      働かない「働きアリ」の役割など、中々面白かったですよ。

      アリの観察ってあきないですよね。

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