漂流する民主主義

ルポ 漂流する民主主義 (集英社新書)
真鍋 弘樹
集英社 (2018-08-17)
売り上げランキング: 9,942

 
このところ、右寄りの本を多く読んだ気がしたので、たまには左寄りの本を読んでみようと手にした本です。
 
~ もくじ ~

はじめに
序 章 民主主義って何だ?
第一章 予兆 二〇〇六~〇八年
第二章 波乱 ニ〇一五年
第三章 通底 二〇一六年
第四章 警鐘 二〇一七年~現在
おわりに

 
~ なるほどな一文 ~

トランプの支持者たちを蔑視し、糾弾すること。英国のEU離脱に賛成した英国民たちをとがめ、非難すること。それは、鳴り始めた「警報ベル」に、うるさい、耳障りだと文句を言っているようなものなのかもしれない。今、必要なのは、火元に目を向けることなのにもかかわらず。(P171)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(4068日)、、、
読んだ本   921冊 (1日平均0.23冊)
読んだページ 221678ページ(1日平均54ページ)

atasinti – 読書メーター
 
 
この本の内容からちょっと離れますが、左寄りの人は「民主主義」という言葉を好んで使います。そして選挙で自分たちが推す人や政党が勝利したら「民主主義の勝利」と喜び、トランプ大統領の誕生や日本の安倍政権一強状態に対しては「民主主義の危機」と叫び、「民主主義を取り戻せ」と叫びます。でも、それはちょっとおかしいですよね。だって、トランプ大統領も安倍政権も、民主主義の制度に従った選挙の結果生まれたわけですから。自分と意見が合う場合は民主主義で自分と意見が合わないものは民主主義でないという、自分と異なる意見を認めない態度こそ民主主義を壊していると言えます。
 
しかし、この本の著者は、トランプ政権は民主主義が生んだとはっきり明言されていますので、まだまともな方です。アメリカに長くいたそうなので、その影響かもしれません。
 
この本を読んであらためて、ヨーロッパやアメリカの保守とリベラルの対立構造と日本の保守と言われている自民党とリベラルと言われている政党の対立構造の違いを認識しました。
ヨーロッパやアメリカの保守は、小さな政府をめざし、多くは市場に任せるのに対して、リベラルは手厚い福祉政策を行う大きな政府をめざしています。しかし、日本では、自民党がお金を使おうとすると、旧民主党や共産党など日本でリベラルと自称している党がバラマキはんたーいと緊縮財政を求めると言う構造です。
日本では自民党がリベラルで旧民主党や共産党が保守政党と言えそうです。
ただし、小泉政権時を除く、このあたりが日本のややこしいところ・・・
 
さて、世界はこの後どこへ向かうのか。
ワクワクもんだぁ!
しーゆー。