医療にたかるな

医療にたかるな (新潮新書)
村上 智彦
新潮社
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闘う医師、と言っても、彼が闘っている相手は病気ではありません。
彼が闘っているのは、古い日本の体質です。
夕張市で医療の改革を行った著者が、夕張市の破綻の根本原因は何なのかに迫ります。
そしてマスコミもまた平気で、自分たちの都合に合わせてミスリードしている実態がそこにあります。

あくまでの医師の立場で物申しているので、話半分で聞く必要はあるかもしれませんが、
高齢化を向かえた日本が抱える問題の本質がココにあるように思います。
今の体質のままでは、「日本」が「夕張」になってしまう。
医療機関も行政も古い体質まみれであり、変えなければならないが、
本当に悪いのは、医療機関でも行政でもなく、
自分たち自身がかわらなければならない。

~ もくじ ~

はじめに
第1章 日本の医療はなぜ「高い」のか?
  1.「医療費が高い地域」に同情するな
  2・健康意識は「施し」からは生まれない
  3.医療施設では人の健康は守れない
  4.医療批判に隠された「ごまかし」
第2章 医療を壊す「敵」の正体
  1・夕張を破綻させた「たかり体質」
  2.既得権益を死守する「政治」「行政」
  3.マスコミの自作自演構造
  4.責任回避と権力欲に走る「医療者」
  5.「市民」という名の妖怪が徘徊する
第3章 「戦う医療」から「ささえる医療」へ
  1.高齢者医療は「死」を前提に組み立てよ
  2.医療を超えた「ケア」を実践せよ
  3.行政への「丸投げ」は卒業せよ
  4.日本人よ、「公」になれ
おわりに

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

つまり、長生きするためには健康に対する意識の高さが一番大切なのであり、喫煙者が「脳梗塞が心配だから」とCTをマメに撮りに行っても長生きできるわけではありません。脳梗塞が心配ならば、CTを撮りに行く前に禁煙すべきです。その方が安いし効果は確実です。(P61)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

医療は目的ではなく手段です。医療を目的にしてしまうと、健康も幸せも手に入らなくなります。なぜなら多くの医師にとって、仕事とは「病気を探して治す」ことであり、「人生を幸せにする」のは仕事の範囲外だからです。
「人は必ず死ぬ」という前提がないと、本人も周囲の人間も、生きている今の時間を大切にしようという発想が出来なくなり、幸せが遠のいていきます。(P150)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2109日)、、、
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book20130419
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