人間にとって成熟とは何か

人間にとって成熟とは何か (幻冬舎新書)
曽野 綾子
幻冬舎
売り上げランキング: 20

曽野 綾子さんのエッセイ。古すぎず新しすぎず、すばらしい感性の持ち主。
カトリック色が濃いので、必ずしも同感できる話ばかりではありませんが、たとえ異なる意見でも、読んでいて少しも気分が悪くなることはありません。さすがは曽野 綾子さんです。

私もこのような素敵な文章が書ける80代になりたいなぁ・・・
でも、こんなブログの文しか書けない私は、おそらく、たとえ80代になっても、100代になっても、絵と写真でごまかしたブログを続けていることでしょう。そしてその絵は落書きレベル、写真はピンボケばかりのことでしょう・・・・
もとより、60年以上文章を書いているプロと自分を比較することが畏れ多いわけですが(^^;

~ もくじ ~

第一話 正しいことだけをして生きることはできない
第二話 「努力でも解決できないことがある」と知る
第三話 「もっと尊敬されたい」という思いが自分も他人も不幸にする
第四話 身内を大切にし続けることができるか
第五話 他愛のない会話に幸せはひそんでいる
第六話 「権利を使うのは当然」とは考えない
第七話 品がある人に共通すること
第八話 「問題だらけなのが人生」とわきまえる
第九話 「自分さえよければいい」という思いが未熟な大人を作る
第十話 辛くて頑張れない時は誰にでもある
第十一話 沈黙と会話を使い分ける
第十二話 「うまみのある大人」は敵を作らない
第十三話 存在感をはっきりさせるために服を着る
第十四話 自分を見失わずにいるためには
第十五話 他人を理解することはできない
第十六話 甘やかされて得することは何もない
第十七話 人はどのように自分の人生を決めるのか
第十八話 不純な人間の本質を理解する

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

金は人の心を計るが、一万円が同じ一万円ではないのだ。貧しい人にとっては、それは我が身を削る大金だが、富裕な人にとっては一千万円も端金なのである。
絆は、我が身の便利や安全保障の意味から結ぶものではなく、のっぴきならない関係で、あらゆる人の周囲に本来は張り巡らされているものだ、と私は思う。それを日本人は、今まで気づかなかったか、それとなく拒否してきただけなのだ。
絆は、自分の心の寂しさや、物質的な困窮を救ってもらうために必要な関係ではない。むしろ絆は、自分の周囲の人たちの、悪い運命をも引き受ける覚悟をすることなのである。(P58)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

人間何をしたって自由なのよ、したいようにすればいいのよ、という発想は実は根本的にまちがいだと大人たちは言わなくなったのだ。それは自由のはきちがえ、もっとはっきり言えば、教養のなさ、人間失格の条件なのだが、いつのまにかずるずるとその程度のことは「今の時代仕方ない」という形で、市民生活の中に浸透してきた。(P220)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2225日)、、、
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book20130814
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