性風俗のいびつな現場

性風俗のいびつな現場 (ちくま新書)
坂爪 真吾
筑摩書房
売り上げランキング: 682

よくある性風俗で働く女性のルポで終わっていません。
経営者にも話を伺い、性風俗が抱えている問題を浮き彫りにしています。
道徳や倫理感を振りかざして社会悪だと否定しても何も解決しないのです。
女性から搾取しているという側面もありますが、一方で貧困女性のセーフティネットとして機能しているという側面も持っている、いろいろ考えさせられます。 

ところで、作者はこの手の本では必ず使われるある言葉を使っていません。
なるほど、そう言えば、あの言葉が一度もでてきませんでした。
作者が最後にクイズとして出題しているので、ここに答えを書くのはやめておきますが、ただ、その言葉を使わなかったことに、どんな意味があるのかは、まったくわかりませんでした(^^;

~ もくじ ~

はじめに
第一章 地方都市における、ある障害者のデリヘル起業体験記
第二章 妊婦・母乳専門店は「魔法の職場」
第三章 「風俗の墓場」激安店が成り立つカラクリ
第四章 「地雷専門店」という仮面
第五章 熟女の・熟女による・熟女のためのお店とは?
第六章 ドキュメント 待機部屋での生活相談
終 章 つながる風俗
あとがき

~ なるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

文化としての風俗が死んだ世界では、男性が金額に囚われない「粋」な遊び方を学ぶ場はもはや存在しない。この不毛な世界で風俗を利用する男性は、目先の価格と記号に踊らされながら、ありもしない「素人」という幻影を追い続けるしかないのかもしれない。(P107)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはinbookの該当セリフのページ)

私は、風俗の世界に今一番必要なのは、道徳感情に基づいた是非論や否定論、あるいはフェミニズムや社会学の理論に基づく分析や批判でもなく、ソーシャルワークとの連携ではないだろうか、という思いを新たにした。(P201)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(3119日)、、、
読んだ本   692冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 164592ページ(1日平均52ページ)

book20160125
atasintiさんの読書メーター

コメントを残す