明日のコミュニケーション

明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法 (アスキー新書)
佐藤尚之
アスキー・メディアワークス
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従来のような、テレビなどでガンガン声高に商品名を連呼するような広告は効果が薄くなってきている。
これからはソーシャルメディアをうまく利用しなければならない。
そのためにはまず、ソーシャルメディア上で信頼される関係を構築しなければならない。
そうした広告のあり方の変化にちていこうとしない広告業界の人が多い。
100万人に広告を見せなくても、ソーシャルメディア上で100人にとりあげてもらえば、RTやいいね!の連鎖であっという間に100万人に広がっていき、その効果はテレビで100万人に広告を投下したときよりもはるかに大きい。
確かにその通り。
ただ、ココでひとつ、作者が書いている内容に違和感を感じる点があります。それは、この本に書かれている内容は、あくまでもフォロワーの多い作者のような人の視点でしかソーシャルメディアを語っていないという点です。
だれもが投稿したツイートやRTを100人に読まれれば、3回のRTで100×100×100で100万人に広がるかもしれませんが、実際100人に読まれる人はわずかしかいないのです。
フォロワーが400人いれば400人が読むかと言うとそんなことはないのです。TwitterにしてもFacebookにしても、フォローする人が増えれば増えるほど、すべてを読むことなどできなくなり、一期一会のツールとなります。400人フォローしていて、それぞれの人が1日に平均10個のツイートを行うとすると、1日に4000ツイート流れてきますが、読むのはそのうち40ツイートほどだったりするものです。
また読んだ100人がみんなRTするなんてことはめったにありません。
なので、この本の作者が書くほどの広がりは中々起きないと思います。
でも、テレビ広告を100万人に見てもらうよりも、100人にTwitterなどのソーシャルメディアで取り上げてもらった方が、たとえ100万人に届かなくとも広告効果が大きいというのは確かなことでしょう。

~ もくじ ~ 

はじめに ~ソーシャルメディアを過大評価はしないけど、
      やっぱり重要だとボクが思うわけ
第1章 「関与する生活者」がつながった
    ~ソーシャルメディアは関与する生活者が動くプラットフォーム
第2章 ハイパークチコミの誕生
    ~ソーシャルグラフが情報伝達を大きく変える
第3章 ソーシャルメディアの勘所
    ~コミュニケーション・デザイン視点でのキーワード
第4章 ソーシャルメディア上で関与する生活者はどう動くか
    ~新・生活者消費行動モデル概念「SIPS」
第5章 関与する生活者に愛される方法
    ~ソーシャルメディア時代のコミュニケーション・デザイン
おしまいに ~ボクたちはその萌芽の最初期に生きている

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

その玉石混淆の発言の中に「玉」もある。でも全体から見たら「石」がほとんどなのである。(P6)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

いや、広告はなくならない。
ただ、広告という「枠」がなくなるだけだ。(P266)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(1575日)、、、
読んだ本   292冊 (1日平均0.19冊)
読んだページ 66319ページ(1日平均42ページ)

読書メーター – atasinti

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