さもしい人間

さもしい人間: 正義をさがす哲学 (新潮新書)
伊藤 恭彦
新潮社
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今どき「さもしい」という言葉を使う人も珍しいかも。
市場経済は極端な格差を生み、底辺の人は命の危険にさらされている。
しかし作者は競争や格差を否定している訳ではない。
最低限、命の危険にさらされることがないレベルの「制度」を導入し、その上で自由に競争すべきという意見。
ただ、その「制度」に具体性があるわけではなく、机上の空論に終わっている。

~ もくじ ~

プロローグ―「さもしさ」の話を始めよう
第1章 日常にひそむ「さもしさ」の光景
第2章 「分」を守るということ
第3章 市場はけっこう残酷だ
第4章 地球から「さもしさ」を消せるか
エピローグ―公憤と正義
あとがき
主要参考文献とブックガイド

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

「宗教上の理由でパワーポイントは使えないんだ」と嘘八百をならべて、学生からの批判を逃れることにしている。しかし、心の中では「『ハーバード白熱教室』でもパワポ使ってないだろう。パワポなんて無内容の授業を粉飾する紙芝居だ」とつぶやいている。(P9)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

ハンサム税(イケメン税)を導入し、日本中のイケメンから税を徴収し(人気グループ嵐のメンバーはさらに高額納税者になる)、イケメンでない人の不遇を改善するといった提案をしても誰も賛成しないだろう。いや、もしかしたら賛成多数になるかもしれないが。イケメン税を払う人は、ある意味、国家認定の「イケメン」になるわけだ。そんな認定がほしくて「さもしく」税を支払う人が増える。税収も増える、結構いい政策かもしれない。(P85)

 
 
 
これで、、、2007年07月13日以降(1855日)、、、
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