からくり民主主義

からくり民主主義 (新潮文庫)
高橋 秀実
新潮社
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元テレビ局のADをやっていた著者が、テレビでは放送しなかった現場の真実をレポート。
なかなか興味深い。
たとえば沖縄の基地問題は、テレビ等のマスコミは、賛成派と反対派が対立というような単純な構図で報道するけれど、事実はそんな単純なものではないということがよくわかります。
普天間の町のど真ん中に基地が作られたわけではない、何もないところに基地が作られ、そのまわりに人々が移ってきて町ができたという歴史も、放送はされたことないんじゃなかろうか。
そもそも、国民の声とは誰の声なのか、世論調査の世論ってだれの論なのか、世間って何なのか、、、

~ もくじ ~

序 章 国民の声-クレームの愉しみ
第1章 親切部隊-小さな親切運動
第2章 自分で考える人びと-統一教会とマインドコントロール
第3章 忘れがたきふるさと-世界遺産観光
第4章 みんなのエコロジー-諫早湾干拓問題
第5章 ガリバーの王国-上九一色村オウム反対運動
第6章 反対の賛成なのだ-沖縄米軍基地問題
第7章 危険な日常-若狭湾原発銀座
第8章 アホの効用-横山ノック知事セクハラ事件
第9章 ぶら下がり天国-富士山青木ヶ原樹海探訪
第10章 平等なゲーム-車椅子バスケットボール
終 章 からくり民主主義-あとがきに代えて
解説 村上春樹
参考・引用文献

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

「私をバカにしている」なら「キチガイ」扱いになるが、「見ている人」つまり世間をバカにしているのなら公認クレーム。世間とはどこかにあるものではなく、個人の感情を正義に転換する際、「世間」なるものが現れ、知らないうちにその代表となるのだ。(P13)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

要するに、日本人はバカが多いんです。バカな番組を見るバカ。自分は良識はだとクレームするバカ。僕らはバカに合わせてバカな番組をつくるんです。(P22)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2499日)、、、
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book20140515
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