ユーミンの罪

ユーミンの罪 (講談社現代新書)
酒井 順子
講談社
売り上げランキング: 808

タイトルはユーミンの罪ですが、内容はユーミン賛歌です。
そしてユーミンの歌を聴きながら過ごしたバブル時代の女性の生きざまについて自身の思い出をもとに分析しています。

個人的には、荒井由美は好きです。
荒井由美時代の4枚のアルバムでユーミンはもう完成していたと思います。
しかし結婚後、松任谷由美と名前を変えてからは、バブル景気とともにドンドン派手に過激になっていくようで、ちょっとついていけないところがある感じでした。といいつつも、1984年まではユーミンのアルバムを購入しておりましたが、以降は、ユーミンはもういいやっとなっちゃいました。
バブル景気は1991年にはじけましたが、ユーミンはその後もその輝きを失っていない点ではすごいと思います。

ところで、この本を読んでわかったことは、ユーミンって、思った以上に保守的な人だったんですね。

~ もくじ ~

1 開かれたパンドラの箱 「ひこうき雲」(1973年)
2 ダサいから泣かなう 「MISSLIM」(1974年)
3 近過去への郷愁 「COBALT HOUR」(1975年)
4 女性の自立と助手席と 「14番目の月」(1976年)
5 恋愛と自己愛のあいだ 「流線形’80」(1978年)
6 除湿機能とポップ 「OLIVE」(1979年)
7 外は革新、中は保守 「悲しいほどお天気」(1979年)
8 ”つれてって文化”隆盛へ 「SURF&SNOW」(1980年)
9 祭の終わり 「昨晩お会いしましょう」(1981年)
10 ブスと嫉妬の調理法 「PEARL PIERCE」(1982年)
11 時を超越したい 「REINCARNATION」(1983年)
12 女に好かれる女 「VOYAGER」(1983年)
13 恋愛格差と上から目線 「NO SIDE」(1984年)
14 負け犬の源流 「DA・DI・DA」(1985年)
15 1980年代の”軽み” 「ALARM a la mode」(1986年)
16 結婚という最終目的 「ダイアモンドダストが消えぬまに」(1987年)
17 恋愛のゲーム化 「Delight Slight Light KISS」(1988年)
18 欲しいものは奪い取れ 「LOVE WARS」(1989年)
19 永遠と刹那、聖と俗 「天国のドア」(1990年)
20 終わりと始まり 「DAWN PURPLE」(1991年)
あとがき

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

ユーミンは、「瞬間」を歌にする人です。ストーリーやイデオロギーや感情そのものを歌にしていくのではなく、感覚であれ、具体的な事物であれ、一瞬「あ」と思ったこと、一瞬協力に光ったもの、その瞬間を鋭い刃物で切り取り、すくい上げる。そして「あ」という感覚や光の強さやらを薄めないよう、極度の慎重さをもって、歌に仕立てていくのではないか。(P12)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

しかし妄想という名の自慰行為に浸りすぎると、現実世界に幻滅しやすいのでした。腰も軽いし尻も軽いという世代が、実は日本の晩婚化の道をつけていった世代でもあることを考えると、それは妄想のしすぎが原因だったのかもしれず、現在の少子化にもユーミンの影響は少なからずあるのではないかと、私は密かに思っているのです。(P199)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2373日)、、、
読んだ本   496冊 (1日平均0.21冊)
読んだページ 114732ページ(1日平均48ページ)

book20140109
atasintiさんの読書メーター
 
 
なつかしいアルバム。最近は聴いてないなぁ。。。

ひこうき雲
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MISSLIM
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14番目の月
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