古事記を読みなおす

古事記を読みなおす (ちくま新書)
三浦 佑之
筑摩書房
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古事記はその「序」に天武天皇が日本の歴史について話した内容を稗田阿礼に書かせていたものを後の元明天皇が太朝臣安万侶に編纂したものと書かれているが、著者はこの「序」は後から付け加えられたものではないかと考えています。
日本書紀が律令制を完璧なものにするために国によって都合のよいように作られた歴史書であるのに対して、古事記は律令制とは離れたところで「語り」を集めたものではないかという説です。
そのような学説はともかく、この本に書かれた古事記の内容はとてもわかりやすく、そして面白いです。

~ もくじ ~

序 章 なぜ古事記を読みなおすのか
第一章 青人草と高天の原神話
第二章 出雲の神々の物語
第三章 天皇家の神話-天から降りた神々
第四章 纏向(まきむく)の地の物語
第五章 五世紀の大王たち
第六章 滅びへ向かう物語
終 章 古事記とはいかなる書物か-語りの世界と歴史書の成立
参考文献
あとがき
年表(歴史書年表/古事記関係年表)

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

日本書紀の国譲り神話は、どこまでも遠征し勝利した側の論理によって語られるのです。それに対して、古事記は、制圧された神々の側の無念さを込めて語るというところに本質があると言えるでしょう。(P93)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

今では考えられないことかもしれませんが、語られる伝承のなかでヤマトタケルが悲劇化することで、歴史が変えられていったのです。語りというのはそのような力をもつものだということを踏まえて、古代の歴史書を考えてみることも、ある場合には必要ではないかと思います。(P176)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2303日)、、、
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book20131030
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