日本の歴史をよみなおす (全)

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)
網野 善彦
筑摩書房
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観点を変えて日本の歴史を読み直してみると、これまで定説とされてきたものとは異なる歴史がそこに見えてくる。
この本に書いてあることも、事実かどうかは定かではなく、一説に過ぎない訳ですが、中々面白い話だと思いました。
前半は、13~14世紀までの日本とそれ以降の日本は大きく異なり、これまでの歴史書は、15世紀以降の日本の考え方を13~14世紀以前にもむりやり押しつけているのではないかという話。
後半は、「百姓」=「農民」と勘違いすることによって、日本の歴史を大きく読み間違えているという話。
そうです、百姓とは農民のことではなかったのです!

ところで、半分くらい読み終えたところで「あとがき」が出てきたときにはびっくり!
このあと200ページに及ぶあとがきが延々と続くのか、、、
と思ったら、もちろんそんなことはなく、2冊の本を1冊にまとめたものなのでした。。。

~ もくじ ~

-日本の歴史をよみなおす―
はじめに
第一章 文字について
第二章 貨幣と商業・金融
第三章 畏怖と賤視
第四章 女性をめぐって
第5章 天皇と「日本」の国号
あとがき

―続・日本の歴史をよみなおす―
はじめに
第一章 日本の社会は農業社会か
第二章 海からみた日本列島
第三章 荘園・公領の世界
第四章 悪党・海賊と商人・金融業者
第5章 日本の社会を考えなおす
あとがき

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

「日本の女性は、処女の純潔を少しも重んじない。それを欠いても名誉も失わなければ結婚もできる」(略)
「ヨーロッパでは女性は文字を書かないけれども、日本の高貴な女性はそれを知らなければ価値が下がると考えている」(P144)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

敗戦後五十年たって、農地改革についても考えてみるべき時点になっていると思います。これも完全に百姓=農民の思いこみの上に立ち、列島の地域差をほとんど無視して行われた改革であり、その後遺症はいまもあると思いますし、コメの問題も簡単ではありませんけれども、やはりこれまでの農本主義的なものの見方からでは、ほんとうにことの本質はわからないと思います。(P404)

 
 
 
これで、、、2007年07月13日以降(1810日)、、、
読んだ本   356冊 (1日平均0.2冊)
読んだページ 81563ページ (1日平均45ページ)

読書メーター – atasinti

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