教育という病

教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」 (光文社新書)
内田 良
光文社 (2015-06-17)
売り上げランキング: 291

高校の体育祭で7段ピラミッドの最上段を経験したことがあります。
練習では一度も成功しませんでしたが、本番で初めて成功。
ピッという笛の音とともに、ぐしゃっと潰れた際、一瞬私だけ宙に浮いていたそうです。
やってる本人たちはきついばかりでしたが、見ていた人には感動的だったようです。
そんなピラミッドがいまや10段や11段になっているということでびっくりです。
さらに小学生で9段とかもあるそうです。
そこまで大きくする必要はまったくないと思うのですが、「教育」の名のもとに、危険が見落とされている、そんな事例がいくつもでてきます。
「感動」を求めることに一生懸命なあまり、そして教育的効果と言う眩さのあまり、リスク管理ができていない。
工事現場で大人が許されていないような危険な状況に子どもたちがさらされているというのに、「教育」という名のもとで許されてしまう奇妙な状態。
不審者だけが学校の危険ではないのです。

2分の1成人式なるものも、私たちが子どもの頃にはそんな行事はありませんでした。
私の子どもたちが小学生の時にはすでにありましたが、まだその頃はこの本に書いてあるような、親子で振り返り感動を共有するというような行事と言うよりも、子ども自身が将来の夢を語るという行事だったと思います。
最近の日本は「感動」を求め過ぎなんだよなぁ。
テレビも「感動」を押しつけるような番組が多いし、、、

しかし、あれほど死亡事故を起こしていた柔道ですが、2012年以降、柔道での死亡事故が0になったというのは驚きです。こういう話はもっと広く伝えられるべき話だと思います。
 
 
~ もくじ ~

はじめに
序 章 リスクと向き合うために
     -エビデンス・ベースド・アプローチ
第1章 巨大化する組体操
     -感動や一体感がみえなくさせるもの
第2章 「2分の1成人式」と家族幻想
     -家庭に踏み込む学校教育
第3章 運動部活動における「体罰」と「事故」
     -スポーツ指導のあり方を問う
第4章 部活動顧問の加重負担
     -教育QOLを考える
第5章 柔道界が動いた
     -死亡事故ゼロへの道のり
終 章 市民社会における教育リスク
おわりに

~ なるほどな一文 ~(リンクはInBookの該当セリフのページ)

スポーツそのものが問題なのではなく、そこに根性論的指導観が付加されていることが問題なのである。(P145)

~ もう一つなるほどな一文 ~(リンクはInBookの該当セリフのページ)

学校の外にいる市民もまた、教育の眩さに目を奪われている。保護者を含む市民こそが、危険な活動を推奨することがある。学校がリスク・マネジメントに向き合おうとしているときに、その芽を摘んでしまうことがある。(P254)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2905日)、、、
読んだ本   638冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 151171ページ(1日平均52ページ)
\(^O^)/ 1日平均ページが1ページ増えた!

book20150625
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