「昔はよかった」病

「昔はよかった」病 (新潮新書)
パオロ・マッツァリーノ
新潮社
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「昔はよかった」などということはまったくない。
今の方がずっといいか、昔も今も変わらないか、それが歴史の真実。
「昔はよかった」と言っている人は、「昔はお金さえだせばなんでもやりたい放題でよかった」と言っているのかもしれない。

データを見れば、暴力事件も空き巣も強姦も過去に比べてはるかに減少しており、現在の日本はいまだかってないほど、安全な国なのです。
若者による凶暴な事件も減っている。
それにもかかわらず、若者の凶暴事件が増えているような錯覚を覚えてしまうのはなぜか?
それはマスコミの偏向報道によるものなのです。

唯一増えているのは高齢者の凶暴事件。
しかしこれは、かって若者がもっとも暴れていた昭和30年代に10代後半から20代だった人たちが今60代~70代になっていて、やはり暴れているだけのこと。
働いていた時期だけおとなしくしていたけど、退職してまた昔の血が騒いでいるのでしょうか?

そんな昔に比べて安全な日本なのに、もっともっとセキュリティを強化しようとテレビでガンガン宣伝しているのはなぜ?
それは安全な世になってしまったので、大げさに宣伝しないとセキュリティ商品が売れないから?
そのためには安全だ安全だと言っていては売れない。不安を煽らなければ売れない。
セキュリティ会社はマスコミにとって大事なスポンサーだから、スポンサーさんが困るような「事実」を、今は安全だという事実をマスコミは報道するわけにはいかない?

~ もくじ ~

はじめに
第1章 ありがた迷惑、火の用心
第2章 治安のいい日本で暮らせてよかった~!
第3章 長くて短いクレーマーの歴史
第4章 そうだ、長者に聞こう。
第5章 コーラとウーロン茶
第6章 まちがいだらけの自警団
第7章 きれいなおねえさんは、好きですか?
第8章 安全・安心ウォーZ
第9章 ハイテンションな元気をもらいました!
第10章 熱中症時代 戦前編
第11章 ありのままの敬老の日
第12章 ウザい絆とキモいふれあい
第13章 注文の多いブラック商店街
参考文献一覧

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

古き良き、というのは、趣味の範囲でのみ成立するファンタジーです。たまの不便なら楽しいけれど、毎日のこととなると、古いものは不快なだけ。新しくきれいで便利なものを、みなさん欲しがります。(P4)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

“安全”と”安心”は文字にすると似てるけど、水と油といってもいいほどに異なる概念です。
その決定的な違いは、危険(リスク)に対する態度にあります。(P124)

 
 
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