文藝春秋
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ブラック企業の実態、そしてそんなブラック企業が生まれる環境、ブラック企業が被害に遭った若者だけでなく、そうした若者が精神に異常をきたして働けなくなることで日本社会全体に与える害、そんなブラック企業から日本社会を守るための社会的な対策についてかいてあります。
ブラック企業は人を育てる気などまったくなく、利益追求のため、若者を取り換え可能な資源として、次々と雇い入れては精神に異常をきたして自らやめて行くように戦略的に仕向けている。
実に巧妙な手口の数々。
((((;゚Д゚))
会社を辞める若者について、最近の若者は根性が足りない、というような若者側の問題のように、政府もマスコミも取り上げる風潮があるが、実は企業側が自ら精神に害をきたして辞めていくように仕向けていたのである。
問題の本質を取り違えた政策が、逆にブラック企業を増やすことになっている。
そんなブラック企業でありながら、そうした実態が見えず、就職において人気企業であったりする。
被害者をこれ以上増やさないためにも、X社とかY社とか書かずに、社名をあげて記載すべきではないか。
その点がちょっと残念。
~ もくじ ~
はじめに
第Ⅰ部 個人的被害としてのブラック企業
第1章 ブラック企業の実態
第2章 若者を死に至らしめるブラック企業
第3章 ブラック企業のパターンと見分け方
第4章 ブラック企業の辞めさせる「技術」
第5章 ブラック企業から見を守る
第Ⅱ部 社会問題としてのブラック企業
第6章 ブラック企業が日本を食い潰す
第7章 日本型雇用が生み出したブラック企業の構造
第8章 ブラック企業への社会的対策
参考・引用文献
おわりに
~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)
それどころか、彼らにとって、新卒、若者の価値は極端に低い。「代わりはいくらでもいる」、取り換えのきく「在庫」に過ぎない。大量に採用し、大量に辞めていく。ベルトコンバヤーに乗せるかのように、心身を破壊する。(P62)
~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)
だが、世の中を見渡すと、なぜか、ブラック企業を批判するッ若者は「甘い」という論調が目立つ。(略)
私からすると、「ブラック企業でも我慢しろ」という言説のほうがよっぽど「甘い」。ブラック企業が開発した新しい「技術」に対しては、自らも厳しく思考し、戦略を持って臨む必要がある。(P124)
これで、、、2007年07月13日以降(2094日)、、、
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