ぼくらの民主主義なんだぜ

ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)
高橋源一郎
朝日新聞出版 (2015-05-13)
売り上げランキング: 364

私たちが思っている民主主義は実は民主主義ではないかもしれない?
日本ではいまだかって民主主義が行なわれたことはない?
では今の日本の政治は何なのだろうか?
いろいろ考えさせられます。

そして「正義」と「真実」の話。私たちが本当に向き合わないといけないのは「真実」であるはずが、ついつい、あるいは意図的に、私たちは自分の中の「正義」にしたがって物を見てしまう。
戦争とは「正義」と「正義」のぶつかり合いであることを忘れてはいけない。
中国、韓国の反日も、日本の一部の人たちの嫌韓・嫌中も、お互いに自分の「正義」を語っているだけで、それ以外の全ての考え方を排除している。従軍慰安婦の問題にしても、韓国人は韓国人の正義を語り、日本人は日本人の正義を語っており、それぞれ自分の正義に都合のいいところだけを抜き取って語っており、真実の全体像を見ていない、あるいは意図的に都合の悪いことは切り捨てているという話。「真実は闇の中」になってしまう前に真実に向き合わねばならない。
ただ、国民感情としての反日と一部の日本人の嫌韓、嫌中は同じかもしれませんが、それと韓国や中国が国策として行っている反日活動を同じ土俵にあげるわけにはいかないと思います。韓国も中国も謝れば許す国ではなく、へたに謝れば、罪を認めたね、僕は一生君を許さないよ、という国なので、日本政府は対応を誤ってはいけません。

~ もくじ ~
(省略)
 
~ なるほどな一文 ~(リンクはInBookの該当セリフのページ)

わたしたちは、自然によって引き起こされた今回の大震災が、実は、この国が構造的に持っていた欠陥によって増幅されたことを知っている。そして「お上」には、この問題を解決する能力がないのではないかと疑ってもいる。(P67)

~ もう一つなるほどな一文 ~(リンクはInBookの該当セリフのページ)

わたしは、皇后のことばを読み、それから、そこで取り上げられた人たちのことばを、懐かしく振り返り、彼らのことばには一つの大きな特徴があるように思った。彼らは、「社会の問題」を「自分の問題」として考え、そして、それを「自分のことば」として伝えることができる人たちだった。(P162)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2972日)、、、
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book20150831
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はじめての不倫学

はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)
坂爪 真吾
光文社 (2015-08-18)
売り上げランキング: 2,768

「不倫」を社会問題として学問的にとらえ、不倫によって心身ともに傷つかないように、不倫に感染しないようなワクチンを考えるというものですが、結局のところ、その不倫ワクチンの案とは、合法的な不倫のシステム化だったりするのは、なんとも面白い。
もっとも、不倫といってもいろいろあるわけで、そのことを考えてみるだけでも意味があることかもしれない。

~ もくじ ~

プロローグ
第1部 不倫学入門
 第1章 現代社会における不倫の現実
 第2章 不倫を学問する
 第3章 不倫を歴史で考える
第2部 不倫ワクチンを開発せよ
 第1章 職場環境と人間関係の整備
 第2章 夫婦関係や家庭を壊さない婚外セックス
 第3章 婚外セックスを前提とした夫婦関係
 第4章 希望としてのポリアモリー
終 章 無防備からの卒業
あとがき 「野暮」と「粋」の狭間で

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

重要なのは、「いつ、どこで感染しやすいのか(感染経路)を明確にした上で、「感染する確率を減らすためにはどうすればいいのか」という予防策(ワクチン)と、「もし感染してしまった場合、どうすれば本人の重症化、及び周囲への感染(感染拡大)を最小限に食い止められるか」に関する処方箋だ。(P9)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

性的志向の問題を「病気」や「犯罪」に還元して、当事者をバッシングすることは誤りである。その意味でも、不倫は個人の問題ではない。(P222)

 
 
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book20150826
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メカニックデザイナーの仕事論

メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人 (光文社新書)
大河原 邦男
光文社 (2015-08-18)
売り上げランキング: 799

自らのことをアーティストではなく職人だと言う大河原さん。
カッコいいメカのデザインがいかにして生まれたのかがよくわかります。
おもちゃあってのアニメ、アニメあってのおもちゃの関係もよーくわかります。
  
~ もくじ ~

自選メカベスト10
まえがき
第1章 偶然始まったメカニックデザイナーの仕事
第2章 私が生み出したロボットたち - 『機動戦士ガンダム』まで
第3章 メカニックデザイナーになるまで
第4章 私が生み出したロボットたち - 『機動戦士ガンダム』以降、1980年代
第5章 私の仕事論
第6章 私が生み出したロボットたち - 1990年代以降
第7章 人との出会い
あとがき

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

当時の製品は、内部におもしろいものがいっぱい入っていましたが、最近の製品はほとんどがブラックボックス化し、分解してもさっぱりおもしろくない。この点、今の子どもは少しかわいそうだと思います。(P118)

 
 
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book20150823
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イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」

イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)
デービッド・アトキンソン
講談社
売り上げランキング: 3,482

まずはじめに、数値から結論を導き出すのではなく、最初に結論ありきでそれにあう数値を使う日本のマスコミを痛烈に批判。
その通り!
そして日本人が思っている日本の強み・弱み、特に都合のよいデータをもとにした自画自賛は、日本を間違った方向へと導いてしまう。
日本の強み、弱みをWoolly Thinkingではなく、ちゃんと考えることで、
日本が観光大国になるために、必要なことを数値をもとに提言されています。

~ もくじ ~

はじめに
第一章 確かに優秀な「日本人労働者」という強み
第二章 「長い会議が象徴する効率の悪さ」という「伸びしろ」
第三章 「数字を重視しない経営者」という「弱み」
第四章 「面倒くさい文化」は「強み」か「弱み」か
第五章 インテレ層の知的レベル、woolly thinkingの問題
第六章 古いものと新しいものが「共存」しているという「強み」
第七章 「解決能力」と「強すぎる個人主義」
おわりに

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

ただ、そのような「愛国心」があるのであれば、なおさら感情的なデータに惑わされることなく、「数字」などに基づいて事実を客観的に読み解く姿勢が重要になってくるのです。(P187)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

今、日本がすべきは、他国と比較して勝った負けたと胸を張ったりがっかりしたり、一喜一憂することではありません。高度経済成長時代にもてはやされた過去の栄光にひたったりすることでもありません。(P187)

 
 
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book20150821
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卑弥呼 封印された女王の鏡

卑弥呼 封印された女王の鏡 異端の古代史2 (ワニ文庫)
関 裕二
ベストセラーズ
売り上げランキング: 35,795

もちろんこれも一つの説に過ぎないんでしょうけれど、
なんともワクワクドキドキする楽しい物語。
日本の古代史が覆る日も近い?
 
~ もくじ ~

はじめに
第1章 闇に消えた卑弥呼の鏡
第2章 金銀錯嵌珠龍文鉄鏡と卑弥呼の謎
第3章 二つの邪馬台国・卑弥呼と台与の確執
第4章 邪馬台国の深層
第5章 トヨの悲劇
終 章 邪馬台国とカゴメ歌
おわりに

 
 
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book20150819
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イタリア「色悪党」列伝

イタリア「色悪党」列伝 カエサルからムッソリーニまで (文春新書)
ファブリツィオ グラッセッリ
文藝春秋
売り上げランキング: 97,976

女を見ればくどくイタリア男。
そんなイタリア男の中でもとくに「色悪党」な7人の男の物語。
それぞれ側近がその人の話をするという形式で中々面白い。
でも、これってとくに「色悪党」ではなく、普通のイタリア男の姿なのでは?
なんとなく拍子抜けな感じも、、、
 
~ もくじ ~

まえがき
第1章 ユリウス・カエサル
    色を好んだ史上最強の英雄
第2章 ロドリゴ・ボルジア=法王アレッサンドロ六世
    ローマ法王の犯した禁忌の愛欲
第3章 レオナルド・ダ・ヴィンチ
    ベッドの上のモナ・リザの微笑
第4章 カラヴァッジョ
    暴れる筆を持つ狂気の天才画家
第5章 ジャコモ・カサノヴァ
    華麗なる夜の外交官
第6章 ジャコモ・プッチーニ
    歌に生き、恋に生き、女にったマエストロ
第7章 ベニート・ムッソリーニ
    セックスと権力に溺れた独裁者
主な参考文献

 
 
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読んだページ 154757ページ(1日平均52ページ)

book20150815
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こんなに変わった歴史教科書

こんなに変わった歴史教科書 (新潮文庫)
山本 博文
新潮社 (2011-09-28)
売り上げランキング: 16,444

1972年の昭和の中学校日本史の教科書と2006年の平成の中学校日本史の教科書の記述内容の違いについての解説です。
今の子どもたちが習っている日本の歴史と私たちが習った日本の歴史の違いがよくわかります。
この30年ほどの間の調査・研究の成果でしょうか。
もっとも、西南の役でも西南戦争でもどっちでもいいじゃん、という感じの話も多い。もちろん、そこにはそれなりの意味があるのですが。
でも、しょせんは教科書レベルの話。
たとえば江戸幕府が結んだ不平等条約について、最初に幕府が締結した日米通商条約はたしかに不平等な点はあったにせよ、実はそれほどひどいものではなかったのに、薩摩藩の薩英戦争や長州藩の下関戦争で敗戦した結果、酷い条件をのまざるを得なかったという説についての記載などはありません。
未だ、薩長の政治的影響は続いているのか・・・

~ もくじ ~

はじめに
第一章 古代
第二章 中世
第三章 近世
第四章 近代
おわりに
参考文献一覧
執筆者紹介

 
 
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book20150812
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八紘一宇

八紘一宇 日本全体を突き動かした宗教思想の正体 (幻冬舎新書)
島田 裕巳
幻冬舎
売り上げランキング: 2,764

今年の3月の衆議院予算委員会で自民党の三原じゅん子議員が突然持ち出した言葉。
戦前の軍部が日本の海外侵略を正当化するスローガンとして使われ、戦後しばらくはGHQによって使用禁止だった言葉。
そんな「八紘一宇」は日蓮宗の思想を示したもの。
この本は「八紘一宇」という言葉について書かれた本というよりは、日蓮宗の思想や団体について書かれた本。
日蓮宗にはいろいろな団体がありますが、日蓮宗が、そしてその支持団体がいかに排他的で右翼的で危険をはらんでいるのかがよ~くわかります。もちろん、あの巨大な学会もその一つ。

~ もくじ ~

はじめに
第1章 八紘一宇と団体
第2章 田中智学の日蓮主義と国体論
第3章 宮沢健治の法華文学
第四章 石原莞爾の満州国
第5章 日蓮の誘惑
第6章 神憑りする魔王、北一輝
第7章 井上日召と血盟団事件
第8章 「死なう!死なう!」
第9章 国立戒壇という亡霊
おわりに

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2948日)、、、
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book20150807
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“段取りの“段”はどこの“段”?

段取りの“段”はどこの“段”? 住まいの語源楽 (新潮新書)
荒田雅之+大和ハウス工業総合技術研究所
新潮社
売り上げランキング: 4,885

建築関係に由来の言葉、あるいは建築関係に由来の言葉ではないけれど、建築関係では特別の意味をもつ言葉、そんな言葉のあれやこれや。
普段何気なく使っている言葉のもともとの意味がわかって、中々面白いです。
それぞれの言葉の最後に、その言葉に関連して、これこれこれな家にしたいものです、というような文章が書いてあるのですが、我が家はことごとく外れていて、ちょっと悲しい気分に、、、、、、、、、、

~ もくじ ~

はじめに
1 段どりの”段”はどこの”段”? - 建築現場の掟
2 几帳面の”面”はどこの”面”? - 建築用語の世界
3 「一壁二畳三障子」は何の順番? - 日本式家屋の隅々
参考文献

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

「家売れば釘の値」という諺があるが、これは住宅の上物としての価値の低さを端的に評したもの。そんなことにならないよう「釘を刺し」、訪れる人が、心地よさに「釘付けになる」家づくりを心がけたいものだ。(P61)

~ もう一つなるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

住宅性能評価は端緒に過ぎない。住まいの沽券は、いかに愛着をもって手入れするかで保たれるのかもしれない。(P96)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2946日)、、、
読んだ本   651冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 153961ページ(1日平均52ページ)

book20150804
atasintiさんの読書メーター
 

なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか

仏教に関係の深い植物のアレコレから、仏教が説く植物的な生き方について書かれています。
なかでも興味を持ったのは、自然に対する欧米的な考え方と仏教的(というよりは日本人的)な考え方の違い。
欧米的、キリスト教的な考え方では、自然は神が人間のために作ってくれたもので、人間に対して自然が存在する。
仏教的、日本人的な考え方では、人間も自然の中の一部。
そういえば、食事の時に、欧米では神に感謝の祈りをささげるけど、日本人は、「いただきます」「ごちそうさま」と命をくれた動物や植物に対して御礼をする。
そして植物に対しての考え方が大きく異なってくる。
欧米人は植物は命はないに等しい。なので、殺傷はよくないというベジタリアンは、動物は食べないけど、植物については、煮ようが焼こうが平気なのです。
しかし日本人は植物に対しても動物と同じように命を感じ、同じように食材に感謝するのです。そんな訳で日本ではベジタリアンは流行らない。
これはなかなか面白い。

~ もくじ ~

はじめに
第1章 仏教と縁の深い植物の謎
第2章 仏教と植物の意外に美味しい関係
第3章 心に染みる仏教と植物の話
第4章 仏教が理想とする植物の生き方
おわりに

~ なるほどな一文 ~ (リンクはInBookの該当セリフのページ)

道端の小さな花もよく見れば美しいし、枯れ葉一枚も美しい。
この世は美しさに満ちあふれています。せっかく人間に生まれたのですから、美しいこの世界を十分に楽しみたいものです。(P219)

 
 
これで、、、2007年07月13日以降(2941日)、、、
読んだ本   650冊 (1日平均0.22冊)
読んだページ 153769ページ(1日平均52ページ)

book20150729
atasintiさんの読書メーター